次世代 アーティスト 『YOASOBI』 真の魅力に迫る
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読者のみなさん、こんにちは、ホビスぺ管理人のしゅんです!
2020年 「夜に駆ける」で人気を博し、2020年、2021年の2年連続でNHK紅白歌合戦に出場した、『YOASOBI』。今回は彼らを紐解くことで見えてくる『YOASOBI』の真の魅力を共に、深堀していきましょう!
【YOASOBIとは】
YOASOBIオフィシャルHPによると、
コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる、「小説を音楽にするユニット」
ボカロP出身のAyaseが「ぷらそにか」所属のikura(幾田りら)を勧誘し、タッグを組む形で結成されたのが、「YOASOBI」の起源です。
2020年リリースの「夜に駆ける」はYoutube総再生回数2.5億回(2022年5月現在)であり、一発録り動画(THE FIRST TAKE)を自宅で収録した動画(THE HOME TAKE)も1.2億回という規格外の再生数を誇っています。
目次
- 【YOASOBIとは】
- ①『夜に駆ける』だけじゃない!常にヒットを生み出すアーティスト
- ②ボーカルikuraの歌唱力が高すぎる!
- ③英語版の歌詞の作り込みがすごい!海外でも根強い人気のワケを探る
- まとめ
①『夜に駆ける』だけじゃない!常にヒットを生み出すアーティスト
一般的に「YOASOBI」と聞いて大半の方が思うのは「夜に駆けるの人」というイメージでしょう。JOYSOUNDカラオケ年間ランキングでは、2020年~2022年の3年間で総合10位以内をキープしていることからも、認知度の高さがうかがえます。
しかし、今回、僕が「YOASOBI」を特集したのは『夜に駆ける』の同等かそれを超える楽曲があるからです!数ある楽曲の中から2曲に絞って、ご紹介します。
1.『群青』
こちらは2021年、2022年の紅白歌合戦で2年連続で歌唱された曲なので、「夜に駆ける」に次ぐ認知度を誇る曲でしょう。では、なぜある程度認知度の高い楽曲を紹介するのかというと、楽曲作成の背景を知っていただきたいからです。
本楽曲は一般にメディアでは「若者への応援ソング」として語られることがしばしばありますが、実はある漫画にインスパイアされた楽曲なのです。
その漫画とは月刊アフタヌーンで現在も刊行中の山口つばさ先生による
「ブルーピリオド」
です。ブルーピリオドはマンガ大賞2020年に選ばれた作品で、翌年にはアニメ化もされました。この楽曲は「ブルーピリオド」という作品を知っていれば知っているほど、さらに魅力あふれる楽曲となるのです!
これらの関連性を少しお話しすると、例えば「群青」Aメロで出てくる「渋谷の街に朝が降る」という表現。楽曲しか聴いていない人は、なぜ渋谷?朝が降るってどういうこと?と思われたはず。実はこれらは「ブルーピリオド」の作中で主人公(矢口八虎)の生活を表す重要な一幕から参考にされた表現なのです。
また、「群青」では、ラスサビに近づくにつれて、楽曲中の主人公が、好きなものに全力で突き進んでいく、という構成になっています。この構成も「ブルーピリオド」の構成と非常に似ており、矢口八虎が美術に向き合う上での苦悩や葛藤をしながらも突き進み成長していくというストーリーに楽曲が沿っています。
「群青」と「ブルーピリオド」。両者が一体となって、それぞれの良さがより際立っています!
2.『ハルカ』
『ハルカ』は原作が鈴木おさむ氏「月王子」を題材にした楽曲です。こちらの楽曲をおすすめするのは、原作を読む前と後で楽曲を聴くと全く違った印象を受けるからです。
歌詞の中に出てくる「僕」そして、「ハルカ」
という曲の題名から、この楽曲はよくある男女の恋愛を描く曲なんだと思っていました。
「YOASOBI」の楽曲には恋愛ソングは珍しくなく、『ハルカ』も同様に恋愛の一コマを描いた楽曲であると。
しかし、この楽曲はそんな考察を原作を読破後に裏切ることになりました。
原作はこちらから読めますので、未読の方はぜひ。
鈴木おさむ氏「月王子」鈴木おさむ「月王子」 | 物語詳細 - monogatary.com
以降の内容では原作のネタバレを含みますので、ご注意ください。
まず、驚いたのが歌詞の中、そして原作の「僕」はマグカップである、ということです。
一方で、同時に『ハルカ』のジャケ写に目が付いたマグカップが描かれているという点にも納得がいきました。
楽曲前半では、マグカップである「僕」の目線から中学生となる「ハルカ」が成長する過程が描かれています。サビの
「ふりかえればたくさんの数え切れない思い出があふれ出してくる」
という歌詞は、個人的な解釈ですが、「あなた(ハルカ)が僕を手に取った中2から、今まで振り返ってみると、たくさんの思い出が詰まっていて、僕(マグカップ)には入りきらないくらいあふれ出してくる。」ことを表しているのではないでしょうか。それほどお互いがお互いにとっての大切な存在であったことを、想像させてくれる歌詞となっています。
また、この楽曲は後半、ラスサビ前のCメロでは転調が起き、雰囲気が変わっていきます。
今まで「僕」は「ハルカ」の成長を1番近くで見守ってきました。これからもそうであると互いに思ってたはずです。
しかし、やってくるのは突然の別れ。
「だから今はどうか泣かないで、あの日のように笑顔で」
ここで泣いてるのは「ハルカ」、それを見つめる「僕」です。ではなぜ、「ハルカ」は泣いてるいるのでしょう。それは
マグカップが壊れてしまったから。
それはつまり、「僕」とのお別れを意味しています。このシーンは原作でも非常に印象的で、『ハルカ』のMV内でもマグカップの破片が映り込むシーンが描かれています。
『ハルカ』は楽曲、原作小説、MVが巧みに絡み合って完成された曲でした。
このように原作小説を読むことで、あなたもさらに「YOASOBI」が作り出す世界観に引き込まれていくでしょう。
今回は『群青』と『ハルカ』を紹介しましたが、「YOASOBI」にはまだまだ語り切れないほどの楽曲の魅力が詰まっています。また、原作小説まで読めてない!って方は、1度読んでみることをおすすめします!
きっと、楽曲の見方や聴き方が変わるはずですよ。
YOASOBI「ハルカ」Official Music Video - YouTube
②ボーカルikuraの歌唱力が高すぎる!
「YOASOBI」ボーカルの「ikura」はシンガーソングライター「幾田りら」としても個人で活動しています。また、現在、上野樹里さん主演のTBS系火曜ドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」にて、主題歌『レンズ』を担当しています。
今では、「YOASOBI」のボーカルとして名を馳せ、シンガーソングライター名義も認知されていた彼女ですが、きっかけが「YOASOBI」であっただけで、彼女の歌唱力の高さは昔から顕著に現れていました。
幾田りらさんは元々、アコースティックセッションユニット「ぷらそにか」のメンバーでした。「ぷらそにか」についてあまりよく知らない方は一度Youtubeで動画視聴することをおすすめします。メンバー全員、歌唱力が高すぎることに驚かれると思います。
うまさのベクトルは人それぞれですが、「ぷらそにか」のメンバー誰しもが、人を惹き込む歌唱力を持っているのです。ほんとにすげぇんですよ笑
「ぷらそにか」時代に磨かれた歌唱力は、「YOASOBI」の楽曲に込められているのはもちろんなのですが、特に注目して欲しいのはEnglish ver.の楽曲におけるikura(幾田りら)さんの歌唱力なのです。
詳しくは後で言いますが、「YOASOBI」は日本語楽曲に加えてEnglish ver.もリリースしています。
「YOASOBI」の楽曲はアップテンポな曲が多く、日本語でも歌いづらいメロディーラインをEnglish ver.で完璧に歌い上げることができるのは彼女の歌唱力の高さを物語ってると言えます。
ikuraさんの歌唱力の高さを感じた楽曲のひとつに、『RGB』があります。こちらは『三原色』のEnglish ver.なのですが、ぜひ1度視聴してみてください。
こんなにアップテンポな楽曲を英語で歌えるのは、国内のアーティストでも中々いないと思わせられます。
③英語版の歌詞の作り込みがすごい!海外でも根強い人気のワケを探る
先ほども言いましたが、「YOASOBI」の楽曲には有名曲を含め、かなり多くのEnglish.verが存在します。
ただ、日本語の歌詞を英語に翻訳して歌ってるだけでは?と思われる方もいるでしょう。
しかし、「YOASOBI」は我々の想像を遥かに超えてきます。
例えば、『たぶん』には
過ごした日々の痕一つも残さずに さよならだ
というフレーズがあるのですが、English ver.ではどう変わってると思いますか?
日々はday?さよなら、だからGoodbye でしょうか?
英語版「たぶん」(Haven't)の表現はこちらです。
Soon go sit up, leaving not a tone in all we owned, no cold signs to me.
Saw you're not around.
ざっくり訳をすると「あなたはすぐに起き上がって、トーンも残さず出ていってしまったね。私には何も言わずにさ。あなたはもうここにはいないんだね。」って感じです。
さて、読者の皆さんは「YOASOBI」が仕掛けたレトリックに気づきましたか?
- 過ごした日々の=Sugosita hibino =Soon go sit up
- 残さずに = Nokosazuni = No cold signs to me
- さよならだ = Sayonarada = Saw you're not around
日本語のローマ字読みと英語の音を合わせているのです。いわゆる、英語だけど、日本語のように、空耳風に聞こえるってやつですね。
この『たぶん(Haven't)』という楽曲はその音遊びがかなり多く含まれています。
他の「YOASOBI」のEnglish ver.の楽曲にもこうしたレトリックが散りばめられています。
オリジナルと歌詞を比較して、さらに「YOASOBI」が伝えたかったことを理解していくのも、彼らを楽しむ1つの方法かなと、僕は思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
次世代アーティスト「YOASOBI」の魅力が少しでも、読者の皆さんに伝わっていただけたら嬉しいです!
また、今回記事には載っていない「YOASOBI」の魅力を知っているよって方はコメントやTwitter等で教えてください!
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